「精神的に不安定だったAさんの居場所になってあげたかった」
女子中学生14歳の身体を何度も触ったうえで、その様子を自身が所有するスマートフォンで撮影。その数は190点にも及び中には体に落書きしているものや、体操着姿のもの等も含まれています。児童ポルノ禁止法違反、大阪府青少年健全育成条例違反などの容疑で2024年3月に警視庁葛飾署に逮捕された盛本恭嗣(もりもと・やすつぐ)被告(35)は6月27日、東京地裁で開催された初公判の様子をレポートしたものです。
盛本被告は’22年11月ごろ、当時14歳だった女子中学生AさんのX(旧ツィッター)のアカウントをフォロー。人気オンラインゲームの話題などで仲良くなりダイレクトメッセージをやりとりするうちに仲良くなり、直接会うようになりました。盛本被告のAさんへの猥褻行為は大阪府内のホテルで行われました。Aさんは両親とスマートフォンで位置情報を共有していた為、スマートフォンをカラオケボックスに置いたままホテルに向かったとのことです。
法廷では、精神的に不安定だったAさんの心にスキにつけこんだ盛本被告の卑劣な姿が明らかになりました。当時、Aさんは友人や家族など人間関係に悩んでいて、度々『死にたい』と口にしていました。当初は盛本被告も、「そんなこと言わないで」と答えていたのですが、Aさんが『生きていたいと思わせて』と言われ、Aさん『死にたい』という気持を何とかしてあげたい。そういう気持ちから、Aさんに会いに行ったと盛本被告は発言しています。
2022年12月、盛本被告は大阪に向かい、カラオケ店でAさんと会うと「金銭的に困っていたようだったから、少しでも生活の足しになれば」と5万円を渡した。そしてAさんが「タダではもらえない。私にできることで返したい」と言われたので性的な接触をすることに至ったという。
「その時点ではまったく下心はなく、性的な行為をすることになるとは思ってもみませんでした」(盛本被告)
検察官が「14歳にとって、5万円はかなり高額だとは思いませんか? (カネを渡されたことで)Aさんが性的な行為の見返りを求められている、と考えても不思議ではないと思いませんか?」と質問すると、盛本被告は「14歳という年齢でそのようなことを考えるとか、とても私には思えません」と否定した。
驚く事に、盛本被告には家庭があるにもかかわらず、何回も大阪を訪れ、Aさんと日中の6時間ほどをカラオケ店で過ごすようになりました。
「何度もやめようと思いました。しかし、LINEとかで『(性的な行為をすることが)支えになっていると』言われて、支えになるならば……と続けてしまいました」(盛本被告)
Aさんの体にマジックペンで卑猥なイタズラ書きをしたり、スポーツウェアを着せて写真を撮っていたことを「これらの行為も被害者を支えるためだったのか?」と検察官に咎められると、盛本被告は「お互いが恋人同士のような気持ちになっていました。なので、支えるというより、お互いがしたいことをして楽しんでいるという感じでした」とまたも否定。
「自己の性的欲望を満たすためといわれても仕方がないとは思います。それでもAさんを救いたい、Aさんの寂しさを埋めたいという気持ちがあったのは本当です」とまで述べるのだった。
法廷で読み上げられたAさんの両親の供述調書などによると、Aさんは学校でいじめを受け、精神的に不安定な状態が続いていたという。Aさんの精神状態や体調不良を、両親は常に気にかけていた。そして、Aさんを自宅付近まで送ってきた盛本被告と父親が出くわし、盛本被告が逃げようとしたことから、父親が110番通報したことで事件化に至ったのである。
「犯人は娘の未熟な精神状態や不安定な心につけ込んで、自分の欲望を満たすためだけに利用しました。絶対に許せないので、日本の法律にしたがって、最大限の処罰をのぞみます」
Aさんの両親の気持ちを読み上げたうえで、検察官は「被害者の尊厳を無視した犯行態様は悪質」と懲役1年6ヵ月を求刑。盛本被告の弁護人が「被告人は真摯に反省し、メンタルクリニックに通院して再犯防止に努めている」と執行猶予付きの判決を求めた後に即日結審した。
「はじめはAさんを支えたいという思いだけでした」
空虚な主張を続けた盛本被告。判決は7月9日に下される。
コメントを残す